施設の違いがよく分りませんなうべく詳しくしりたい

社会福祉士の陽田です。

介護老人福祉施設と介護老人保健施設の違いですね。

介護老人福祉施設は『特養』のことと全く同じです。簡単に言えば、最期まですごせることのできる、介護に力を入れて生活を営む施設です。

介護老人保健施設は『家庭』と『病院』の中間的な位置づけとされています。現状はほぼ、家庭のような感じです。こちらの施設は、原則最期まで生活することができず、早ければ１年経過しないうちに退所しないといけません。

さて、ここからは実情をご説明します。

【介護老人福祉施設】
最近はほぼ個室になっています。昔は国の基準で１部屋8人の時代もありました。今は、個室が多いです。個室のメリットはやはりプライバシーの確保ができることにありますが、その一方でデメリットもあります。見守りが十分にできず、転倒・転落の事故が増えています。
費用は要介護５なら１２万円ぐらいです。さらに医療費が別途必要になります。こちらの施設では近年、リハビリに力を入れているところが多く、これから説明する老人保健施設に負けないぐらいです。

【老人保健施設】
最近では、『家庭』と『病院』の中間的存在の役割は果たしていません。一度、この施設に入れば、家庭に戻れる人は本当に稀です。また、「リハビリに力を入れており、在宅復帰を目指します！」というのも、なかなか難しいです。リハビリ職員の配置は必須ですが、リハビリが専門ではありません。となると、毎日リハビリをしてくれるほどは充実していません。
介護老人福祉施設との徹底的な違いとして、「医療費」が含まれております。なので、薬代も別途請求されません。
ちなみに、施設長は医師でなければなりません。逆に言うと、医師ならだれでもなれるのです。精神科の先生が内科的な薬を処方することも普通にあります。この施設にたくさんの医師が常駐しており、状態に合った医師に診察をしてくれるわけではありません。そのため、他の専門病院に受診することは決して珍しくありません。

それでは、この二つの施設の違いをまとめます。

★介護老人福祉施設
・介護職員が圧倒的に多い。
・自宅に近いイメージで最近は個室になっている。
・医療に弱く、病院との連携が重要。
・最後（亡くなるまで）まで生活ができる。
・最近はリハビリに力をいれている。

★介護老人保健施設
・医療に強いと言われながらも実際にそれほど期待できない。
・看護師が多い。
・リハビリを頑張っても実際に在宅復帰できるのは極めて稀。
・施設長が医師であるが、高い医療は期待できない。

以上でございます。

参考になれば幸いです。

ご相談ありがとうございます。

退院後の施設について、介護老人福祉施設（特別養護老人ホーム）と介護老人保健施設の違いが分かりにくいとのご相談ですね。

簡単に説明しますと、特別養護老人ホーム（特養）は、介護３以上（中～重度の介護が必要）とする高齢者が利用し、介護老人保健施設は、介護１以上（介護は必要）の高齢者が介護を受けながらリハビリをして在宅での生活に復帰することを目指す施設です。そのため、入居から3～6か月の期間を過ぎると、自宅に戻ることが前提となります。

終末期の介護までを希望とされているのであれば、特別養護老人ホームの方が入居期間に制限がないので介護度にもよりますが選択されることをお勧めいたします。

ただ、料金が多少介護老人保健施設より安いこともあり待機者が多いかと思われます。介護老人保健施設は比較的早く入居はでき、医療やリハビリのケアが受けれるので、取り敢えず選択して今後の生活について考えられるご本人や家族の方も多くおられます。

退院後の生活を長期の視点で医療や介護の度合いも含め考え、主治医や医療相談員・ケアマネと一緒に判断された方が良いと思います。また、事前に施設を見学し今後の生活についての相談をされることも可能です。具体的に話をした方が良いかもしれません。

少しでも、ご心配が軽くなることを願っております。