外国人女性にお金を持ち逃げされた義兄　遺産を放棄させられた経緯があって助けたくない

あなたの夫の怒りは、至極当然のことだと思います。ただ、最後に「いくらかお金を次兄に渡すことで、この問題が解決できると思いますか？」とありますが、それはやめた方が良いと思います。

今いくらかでもお金を渡せば、間をおかずお金の無心をされることが目に見えているからです。

そもそも、次兄が困っていて長兄へ相談したのに、その長兄が経済的援助もせずに、あなたの夫へ「次兄にお金を貸してほしい」と言うこと自体、筋が通っていません。

これは、自分は次兄にお金の援助ができない、あるいはしたくないから、末っ子のあなたにその役割をやらせようということかもしれません。

あなたの夫が長兄に言われた「金銭的な援助ではなく、まずは次兄名義の自宅の土地・建物を売却して生活を立て直すのが筋ではないか？」という意見は、全くの正論です。おそらく常識のある人は、皆そう思います。

しかし、長兄としては、自分は援助できない、あるいはしたくないのであなたの夫に連絡したが、正論を言われたので、不動産を処分したら自分がここに住めなくなると言った、いわば荒唐無稽の話を持ち出したのです。

弟が不動産を処分するのに、なぜその兄が住み続けることができなくなるのか、意味不明です。どうも、夫の長兄、次兄ともに、プライドだけは高い方のようです。

ここで、法的なことを申し上げます。民法第877条第1項には、「直系血族及び兄弟姉妹は、お互いに扶養する義務がある」とあります。

つまり次兄の場合、自分の子どもと兄弟（あなたの夫、長兄）がそれに当たります。そこで、提案ですが、一度皆で集まって、今後の次兄の生活について、話し合ったらどうでしょうか？

もちろん、それぞれ家庭の事情があって、皆金銭的援助を渋るかもしれません。しかし、そのような具体的な状況を目の当たりにすれば、次兄も「自分の不動産を処分して、やり直すしかないかな」と思うかもしれません。

ただ、遺産相続と同様、親子や兄弟は金銭に関しては、こじれる可能性が大いにあります。多少費用はかかるかもしれませんが、専門の弁護士に立ち会ってもらった上で、話し合いを行う方が良いかもしれません。

あるいは、やや時間がかかりますが、家庭裁判所に「扶養請求調停」を申し立てて、話し合いを持つという方法もあります。

いずれにしても、今後の次兄の生活について、皆で膝を突き合わせ、忌憚のない意見を出し合うことが重要です。