【深刻な問題】今の仕事を辞めるべきかどうか。

社会保険労務士の黒田英雄と申します。

NPO法人労働者を守る会の相談員をしております。
職場の悩みや労働相談を多くお聞きしてきた経験から、アドバイスさせていただきます。

質問者様のお勤め先が倒産しそうとのことで、タイトルにもあるとおり、とても深刻な問題ですね。
この先も退職者が増える予定とのことですから、さらに不安になってしまいますよね。

悩んでいる理由について、順にお答えいたします。

１．退職金については、就業規則や退職金規定に基づいて支払われる場合には、お勤め先が倒産したとしても保護される対象になります。仮に支払われないときには、国がおこなう「未払賃金立替払制度」を利用することができます。

２．給与については、会社からの一方的な不利益変更はできません。減る可能性があったとしても、原則として質問者様の同意が必要になります。賞与については、業績に応じて支給されているものであれば、減る可能性はあります。

３．人数が減っても業務が減るわけではありませんので、残された職員にしわ寄せがくることは考えられます。もし時間外労働や休日出勤が増えていけば、精神的にも肉体的にも負担を強いられることになりかねません。

４．ご本人の希望で退職した場合は、自己都合退職になりますので基本手当（俗にいう失業保険）が支給されるまでに給付制限期間があります。倒産が原因の場合は会社都合退職になりますので、給付制限期間はありません。基本手当の額は、離職前の賃金（賞与は入りません）を元に計算され、退職理由による違いはありません。

以上、参考にしていただければと思います。

今の段階で退職したほうがいいのか、倒産するまで働いたほうがいいのかは、質問者様がお勤め先のことをどのように考えているかによるところもあると思います。
単純に生活するための働き口とだけ考えるのか、この仕事を続けることで福祉に貢献したいと考えるのか。
あるいは、お勤め先をなんとか存続できるように力になりたいと考えるのか、倒産するのなら早く離れようと考えるのか。

どれが正解ということはありません。
質問者様のお気持ちに従ってお決めになるのがいいのではないかと思います。

一日も早くお悩みが解決することを願っております。