病院のワンマン院長が「席を外してます。は恥だ」という件について

社会保険労務士の黒田英雄と申します。

NPO法人労働者を守る会の相談員をしております。
職場の悩みや労働相談を多くお聞きしてきた経験から、アドバイスさせていただきます。

上司や先輩から理不尽に怒られたというご相談は、実はけっこう多くあります。
そしてたいていの場合は、ご本人がそれを真面目に受け止めていることで、悩みになってしまっています。

他人から指摘されたことや、指導されたことをしっかり受け止めるのは、大変すばらしいことです。
おそらく、自分をより良くしていきたいという向上心から、悩んでしまうのだと思います。

ただ、今回のご相談のケースは、文章を読む限りでは、院長にかなり問題があるように感じます。
職員の方々がみなご機嫌取りをしていること、患者さんに少なからずご迷惑をおかけしていることからも、嫌な思いをしているのは質問者様だけではないように見受けられます。

「席を外してます。」の一言も、客観的に見ても何が失礼なのかは分かりません。
院長の中では失礼なのかもしれませんが、非常に主観的な考えで、周りに理解を得られるものではないように思います。

これまでに、先輩や同僚にご相談されたことはございますか？
もし周りの方々も院長に対して同じような感情をお持ちであれば、それは質問者様が悪いのではなく、院長が問題のある人だということになります。
そんな人の言うことを真に受けてしまうと、心が疲れてしまいます。

とは言え、院長という職場のトップの言動には、日々付き合っていかなければなりません。
あまりにひどいようであれば、各都道府県に設置されている「総合労働相談コーナー」にご相談ください。

ちなみに、他の業界ではどのように答えているか？とのご質問ですが、これまでご相談を受けてきた限りでは、やはり謝ってその場を穏便にやり過ごすという方が多いです。
医療業界だけが特にということではなく、いわゆる「困ったさん」はどんな職場にもいる可能性があります。

もちろんお医者さんの特性というのも多少はあるかもしれませんが、パワハラがこれだけ社会問題になっていることから見ても、質問者様と同じように悩まれている方は、他の業界にも多くいるのではないかと思います。

最後に、質問者様がすぐにできることとしては、まず身近な方に相談することです。人に話すことで落ち着くのもありますし、みんな同じように思ってたんだと安心することもあるかもしれません。

どうぞ一日も早く、悩みが解決いたしますことをお祈りいたします。